鹿島建設株式会社

 建設業界のリーディングカンパニーとして、日本初の超高層ビルとして知られる霞が関ビルをはじめとして、六本木ヒルズやGINZA SIXなど、私たちは日本を代表する高層建築物をつくり続けてきました。また、各地で、大規模マンションやオフィス、百貨店、美術館、工場、スタジアム、学校、病院など、人々の生活をより豊かにする建築物を提供しています。さらに、道路、鉄道、橋梁、トンネル、ダム、空港など、土木構造物の建設を通して、社会基盤の整備に数多く携わっています。

 また、新しく建造物をつくる一方で、東京駅丸の内駅舎の保存・復原や、姫路城大天守の保存修理工事など、伝統建築・歴史的構造物の復元・再生といった、次の世代へ文化を伝える活動にも積極的に取り組んでいます。

 私たちの活動範囲は日本国内にとどまらず、海外でも、様々な構造物を手がけています。スエズ運河橋、ドバイメトロ、タンソンニャット空港(ベトナム)、カレベダム(インドネシア)、台湾地下鉄などのインフラ建設から、アジア最大級の開発事業であるスナヤンスクエア(インドネシア)、シンガポールの一等地にそびえ立つマリーナベイフィナンシャルセンター、メジャーリーグの舞台となるAT&Tパーク(サンフランシスコ)の建設まで、20カ国を超える地域で営業活動を行っています。

 特に、海外で数々の困難な条件をクリアしながら行われるインフラ整備は、地域の生活向上にとどまらず、建設技術の伝達や地元技術者の育成にも貢献しています。


事例紹介

女川町震災復興事業(宮城県牡鹿郡女川町)

 東日本大震災の津波により甚大な被害を受けた女川町は,住宅や町の基幹産業である漁業施設のほぼすべてを失った。当社JVは,町の復興と発展に向けて,中心市街地と離半島部14地区の広範囲にわたる工事を担当。被災地としては初めてコンストラクション・マネジメント(CM)方式を導入した。
調査・測量・設計・施工に加え,まちづくり全体の総合的なマネジメントに取り組み,復興まちづくりのモデルとして注目を集めた。

 復興版CM方式として平成27年度土木学会賞 技術賞(Ⅰグループ)を受賞。
また,2019年土木学会デザイン賞 最優秀賞を受賞した。

事業者:女川町 

発注者:都市再生機構 

JV構成:乙型JV 鹿島(施工)・オオバ(設計) 

規模:整備面積(中心市街地222ha,離半島部14地区55ha),
土工量(盛土626万m3,切土560万m3) 

工期:2012年10月~2020年3月(東北支店JV施工) 


高田地区海岸災害復旧工事・砂浜再生工事(岩手県陸前高田市)

 約7万本の松林の中でただ1本だけ津波に耐え抜いた「奇跡の一本松」が復興のシンボルとなった,岩手県陸前高田市の高田地区海岸。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の津波により既存の防潮堤が決壊・流失し,市街地を中心に壊滅的な被害を受けた。当社JVは,長さ約2,000mにおよぶ2つの防潮堤建設や海中の人工リーフ,浜田川水門の復旧工事を行ったほか,施工延長1,000mにわたる砂浜の再生工事などを実施した。

 地域の人々の生活を守る堤防や砂浜の復旧とともに,同市のNPO法人や県などによる松原の再生に向けた植樹も行われ,かつての名勝・高田松原の復活へ歩みを進める。

発注者:岩手県

設計:災害復旧工事―パシフィックコンサルタンツ,砂浜再生工事―国際航業

規模:災害復旧工事―復旧延長1,872m 防潮堤工(第一線堤)1,768m

防潮堤工(第二線堤)1,872m 人工リーフ工1,200m 水門工1基 陸閘1基

仮設桟橋工2ヵ所 仮防波堤工2ヵ所

砂浜再生工事―施工延長1,000m 突提工2基 養浜工264,300m3 

仮設工汚濁防止工1,400m 構造物撤去工390m3

工期:災害復旧工事―2013年3月~2016年12月

砂浜再生工事―2017年10月~2019年3月(東北支店JV施工)


気仙沼湾横断橋小々汐地区下部工(宮城県気仙沼市)

 当社JVは,気仙沼湾を横断する「気仙沼湾横断橋」の下部工となる海中橋脚1基と,陸上部の橋台1基の施工を担当した。海中に橋脚を構築する三陸沿岸道路唯一の工事で,橋脚は「トラス型支保工」を採用,一括架設を行った。完成した気仙沼湾横断橋は,東北地方最大の斜張橋であり、復興のシンボルともなっている。

発注者:国土交通省 東北地方整備局 仙台河川国道事務所

規模:橋台1基、橋脚1基、仮設工1式 

コンクリート 17,500m3、鉄筋2,300t、鋼管矢板3,000t

(φ1,500、t=17~18mm、L=45.7m、47.0m 91本)

工期:2015年4月~2019年3月(東北支店JV施工)